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- 倉庫業務
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東京支店 足立営業所 所長
上西 渉介(写真真ん中)
東洋埠頭で勤務し26年目。所長として足立営業所の多数の商品・アイテムを「正確に、時間内に、確実に出荷する」ために目を配る。新しいシステムの導入などで、「スタッフのワークライフバランスも向上させたい」とする。
PROFILE
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- 倉庫業務
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東京支店 足立営業所 主任
2014年入社 農学部卒 管山 雄太(写真向かって左)東扇島支店での冷凍食品やケミカル製品の物流を経験し、足立営業所で活躍する8年目。ワインの流通事業はもちろん、営業所の新たな仕組みや事業を立ち上げることを目標に、先のビジョンを見据えた活動を行なっている。
PROFILE
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- 倉庫業務
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東京支店 足立営業所
2019年入社 経済学部卒 角野 裕磨(写真向かって右)足立営業所のワイン出荷のセンター的存在で、商品の在庫管理や伝票作成などを行う3年目。お得意さまと現場のスタッフとのコミュニケーションを大事にしており、「お得意さまからの感謝の言葉」を仕事のやりがいとしている。
PROFILE
- プロジェクト背景
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ボイスピッキングシステム
プロジェクトとは。S社のワイン取扱量は年々増加していた。S社はデイリーワインの輸入に優位性を持ち、日本にチリ産ワインを普及させた立役者でもある。東洋埠頭は30年にも渡り、ワインの入庫・管理・店舗への運送などを担ってきた。ワインを運送する繁忙期は秋から冬にかけて。しかし、「現在の、ベテランスタッフの経験値に頼る作業だけでは、繁忙期を乗り越えるのは難しい…」という、現場の悩みがあった。この課題を解消するためにITを活用。「ボイスピッキングシステム」導入プロジェクトが始動した。
東洋埠頭のミッションを遂行する。
そのためITを、ボイスピッキングシステムを
ソリューションとして導入せよ!
「今年の繁忙期が楽しみだ!」。ボイスピッキングシステムを導入して数日、その効果に足立営業所がわき立った。音声認識を使って倉庫内作業をより効率化させる、IT改革に成功したのだ。
「正確に、時間内に、確実に出荷する」。上西所長が常に口にする言葉であり、東洋埠頭のミッションである。しかし、ここ数年、使命の遂行を阻もうとする大きな課題が浮き上がっていた。それは「繁忙期にピッキング作業の人員を増やしづらい」こと。「お得意さまの大切な商品を確実に出荷し、消費者に届けられるのだろうか?」。
ピッキングとは、倉庫内の各置き場から出荷に必要な商品を集めてくる作業だ。足立営業所で取扱うワインは、何と800ものアイテム数があり、しかも本数単位という非常に細かなピッキングとなる。ワインは同じ銘柄であっても年産が異なるだけで“違う商品”となるのでアイテム数は多く、増えていくのである。そのため、「アイテムと置き場所を熟知したベテランにしか、ワインのピッキングはできない」。この事実が繁忙期の増員を困難にしていた。
「ITを、ボイスピッキングシステムを導入してみないか?」。課題を解決しようとする声が高まった。
半年間、いく通りもシミュレーションを試す。
「誰でも、すぐに仕事ができるようになる」
効率的なIT環境を実現するために。
ボイスピッキングシステムでは、作業をする人がインカムを付け、そこにピッキングする商品名と本数、置き場所などのオーダーが音声で流れてくる。従来はオーダーが記された紙を確認しながらピッキングをしていたため、商品名と置き場所を把握するまで数ヶ月を要したという。「繁忙期に、単に人員を増やしても作業効率が上がらないのがこの仕事です」と、上西所長は言う。
2021年秋、ボイスピッキングシステム導入への準備がはじまった。
待望の新システムだったが、活用するためには“音声オーダーの順番とおりにピッキングできるように”商品の置き場を変更する必要があった。これも大改革である。
足立営業所のスタッフは、音声オーダーに合わせて倉庫内を効率的に移動できるように、商品の置き場をいくとおりも考えた。以前は倉庫4階がピッキングするワインの置き場だったが、この大改革のため置き場を3階に移し、実際にピッキングのシミュレーションを繰り返しては修正し、約半年の準備期間をかけて効率的な配置を決めていったのである。
2022年4月、ついに新システムが本格稼働した。
新システムで大改革に成功!
さらなる物流の進化を目指して
現場からのチャレンジを続けていく。
「こんなに効率的になるとは、予想以上だ!」、「ITシステムを導入して良かった!」。足立営業所のスタッフ全員が実感していた。今では、この作業がはじめての人でも約2時間程度でワインのピッキングができるようになる。システム導入前は、数ヶ月の経験による習熟度が必要だった作業が、である。
そして、「作業をする人のモチベーションが高まったのは予想外でした」と上西所長。新システム導入により、誰がどれくらいピッキングしたかがデータとして出てくるが、「『今日は1,000個やったぞ!』なんて、まるでゲームを楽しむように仕事のモチベーションも高まっています」。
そして、角野さんはこの新システムをスムーズに運用するため「入庫する商品の確認と、各置き場のアイテム情報を正確に掲示すること」に、お得意さまとの確認も大事にしながら尽力している。管山さんは「ピッキングを含め、物流の仕事は IT化できるところがまだまだあると思うので、近い将来に向けて、現場のさらなるIT改革も視野に入れていきたい」と話す。
「正確に、時間内に、確実に出荷する」。いかなる時でも、ミッションの精度をより高めるために、東洋埠頭の現場は常に進化しているのである。